■ 概 要
製造初年1977年。
新規に建設された宮ヶ瀬線に投入する車両として,同時に都営新宿線への乗り入れ規格を満たす車両として1977年から1988年にかけて422両が製造された。
5000系をベースに設計されているが,単位輸送力増強のため車体幅を70mm拡げた他,トンネル発熱問題,省エネの推進,東京都との協定に基づき回生制動併用界磁チョッパ制御が採用された。
製造から30年が経過おり,初期車を中心に廃車が進行しているが,一方で後期型は大規模修繕工事が施工されており,今後も活躍が続く予定である。
2008年8月1日現在,338両が在籍している。
■ 車 体
車体には5000系6次車で試用され,良好な結果をもたらしたアルミ合金車体が正式に採用された。素材の価格が高価であったことから反対する意見が多かったが,急速な車両増備に対し省保守化が強く要請されていたため,省保守が期待できるアルミ車体の導入となった。また,単位輸送力を増強するため,地下鉄線内の車両限界に抵触しない範囲内で車体幅を拡げ2870mmとした。
■ 主要機器類
東京都との協定により電制に発熱量の少ない回生制動が導入されることになったため,制御方式は界磁チョッパ制御となった。この為,主電動機は複巻電動機が採用されたが,従来の直巻電動機に比べ保守性に難があったことから,後に交流電動機の早期採用を目指すきっかけの一つになった。
主電動機出力は150kwと5000系と同一出力であり,走行特性もさほどの差異は無い。
なお,当初,東京都から電機子チョッパ制御の採用を求められたが,高価格の割には回生率が悪く,高速域での回生性能に問題があったこと,界磁チョッパ制御が既に安定的に運用されており,都に理解を求め最終的に了承された。
台車は5000系と同一のアルストムリンク式車体直結台車が採用された。
■ 接客設備
5000系と同一である。
■ 運 用
宮ヶ瀬線,中原本線の両線に投入する車両として製造されたが,当初は宮ヶ瀬線で新規開業区間用として大量の車両の増備が必要であったこと,中原本線は車両投入が一段落ついていたことから,宮ヶ瀬線に集中して投入された。
自社線内運用車は10両固定編成(6M4T)又は8両固定編成(5M3T),都営新宿線直通車は8両基本編成(6M2T)と2両付属編成(1M1T)の分割編成として増備された。
当初は宮ヶ瀬線のみに増備されていたが,1984年以降,中原本線にも旧型車の置換用として新製配置されるようになり,地上線専用車として8両編成(5M3T)にて投入された。これらは朝・夕のラッシュ時には5000系2両編成と連結して10両編成として運転されることもあった。
だが,少数の複巻電動機装備車の存在は車両保守上,好ましくないことから,1995年までに全車宮ヶ瀬線に移籍した。現在は全車宮ヶ瀬線に在籍している。
■ 近年の動向
初期車は製造から30年が経過しており,2006年から廃車が始まっている。現在,初期車を中心に急速に勢力を減らしているが,5次車以降(1983〜1988年)は5000系更新車と同等の大規模修繕工事が施工され,今後も宮ヶ瀬線の一翼を担っていく予定である。
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