[ Diagram ] 江珂鉄道の競合路線

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02.競合路線について

  江珂鉄道に概ね並行する形でJR高町本線と高町自動車道があり、互いに競合関係にある。最も強く競合するものは自家用車であるが、一概の比較が困難なためここでは除外し、公共交通機関同士で比較したものが下表である。

高速バス時刻表  JR高町本線時刻表

○JR線
 JR線は急勾配急曲線を避けるため、最も穏やかな地形の東側を経由しており、線形が良好なものの距離が最も長い。線形が良好で駅間距離も長いので、最高速度の向上がスピードアップに直結することから、JR化後、数次にわたり最高速度を向上させ、現在はほぼ全区間で、特急と快速が120〜130kmの高速運転を実施しており、特急は両地区を最も短い所要時間で走破し、表定速度は103.8kmに達する。

 一方で運賃は最も高く、特急料金を加えると更に高くなる。但し、非常に割引率が高い往復きっぷが発売されており、特急券も廉価な4枚綴りの自由席回数券が発売されており、組み合わせて利用すると一定の価格競争力を維持している。

 運転本数はどの時間帯も特急、快速ともに毎時2本が運転されており、一定の本数が確保されているものの、特急を除く普通列車(快速を含む)のみで見るとと毎時2本のみであり、また、江珂側のターミナルが中心部からやや外れた佐野倉地区(オフィス街)にあることも平日のビジネス利用はともかくとして、休日の行楽需要にはやや弱くなっている。

○高速バス
 高速バスは、高速道路の延伸・改良のたびに系統の新設・増回が続いており、最も運転本数の多い一ツ葉〜江珂間(一ツ葉IC経由)は平日が84往復、休日が72往復も運転され、最小運転間隔は平日朝が5分毎、休日は10分毎となっている。

 所要時間は1時間30分を越えるものの、運賃は最も低廉であり、また、各系統ともインターチェンジ付近にパークアンドライド用の大規模な駐車場を確保しており、自動車交通の利用者や中心部の駅に遠い者からは非常に利便性が高くなっている。特に一ツ葉市北部・西部の利用者は一ツ葉駅に向かうよりも高速バスの停留所に向かう方が近いため、高速バスのシェアが高い。ただし、一般道路区間や江珂市内の高速道路が渋滞しやすく、平日のラッシュ時や行楽シーズンは定時性に劣る。

○江珂鉄道
 両地区を最も短い距離で結んでいるが、その代わり急勾配が随所に存在しており、分水嶺越えの区間は急曲線も連続している。スピードアップのためにはこれらへの対応が必要不可欠なため、電動車比率の高い編成を使用してこれらに対応している。

 また、JR化後の改良や高速道路の延伸により、他の交通機関に対する競争力を保つためにより一層のスピードアップが必要になったため、設備・車両更新の時期にあわせ、直線が連続する区間の最高速度を130kmに向上させた。その結果、ラッシュ時の準急を除き、1時間を切るようになり、頻発運転やターミナルが市街地の中心にある利点を合わせ、高い利便性を確保している。  

 ただ、沿線の人口密度が決して高くない中で鉄道事業に積極的な設備投資を実施したことや冬季の除雪・耐寒対策に費用がかかることも影響し、私鉄の中では最も賃率が高く、割引運賃の設定もないため、割引後運賃や定期券で比較すると価格競争力はやや劣る。


・沿線路線図(クリックで原寸大)

 

つづく

 

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